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◎勝訴判決・和解の報告    [2]ホルムアルデヒド濃度が水準に到達していない瑕疵を認め勝訴した事例(東京地裁平成17年12月5日判決) 中島宏治(大阪・弁護士)

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勝訴判決・和解の報告
[2]ホルムアルデヒド濃度が水準に到達していない瑕疵を認め勝訴した事例
東京地方裁判所平成17年12月5日判決
弁護士 中島宏治(大阪)

Ⅰ 事件の表示(通称事件名:  )
判決日 東京地方裁判所平成17年12月5日判決
事件番号 平成15年(ワ)第21034号不当利得返還等請求事件
裁判官 杉浦正樹
代理人 米川長平・谷合周三・武田香織
Ⅱ 事案の概要
建物概要 所在
構造
規模
備考
入手経緯 契約 平成14年7月27日 契約 引渡 平成15年5月29日
代金 土地付区分所有建物
備考 マンション
相談(不具合現象) シックハウス
Ⅲ 主張と判決の結果(○:認定、×:否定、△:判断せず)
争点
(相手方の反論)
①消費者契約の申込みの意思表示の取消の可否:△
②詐欺取消しの成否:△
③錯誤無効の成否:△
④被告の瑕疵担保責任の成否:○
⑤被告の債務不履行の成否:×
⑥被告の不法行為の成否:×
欠陥 品質について当事者が前提としていた水準(室内空気に含有されたホルムアルデヒド濃度)に到達していないという瑕疵
損害 合計 4791万0285円/5631万1760円
代金 4526万4760円/4526万4760円
補修費用
転居費用 8万3000円/9万0875円
仮住賃料
慰謝料 0円/300万円
調査鑑定費
弁護士費用 0円/500万円
その他 256万2525円/295万6125円
責任主体と法律構成 売主 瑕疵担保
施工業者
建築士
その他

Ⅳ コメント
1 判決分析(意義・射程・問題点等)
マンションの売買においてシックハウスであることを理由に住民側が勝訴したおそらく最初の判決である。特に「瑕疵」概念について、「住宅室内における ホルムアルデヒド濃度を少なくとも厚生省指針値の水準に抑制すべきものとすることが推奨されていた」ことを重視して「品質について当事者が前提としていた 水準(室内空気に含有されたホルムアルデヒド濃度)に到達していない」という「瑕疵」があると認定した点に注目すべきであろう。
ただし、本件ではマンション分譲にあたり環境物質対策基準に適合していることをチラシ等でうたっている事案であり、この事実を契約時の両当事者の合理的意思の内容としているため、そのような宣伝文句のない一般的な建物については射程外ともいえる。
また、債務不履行・不法行為における注意義務を否定した理由や、弁護士費用や慰謝料請求を棄却している点にも注意を要する。

2 主張・立証上の工夫
担当弁護士ではないため不明。

3 所感
シックハウス事案における瑕疵概念について、厚生省指針値(ホルムアルデヒドについて100μg/ m3)を下回るレベルの水準を基準に判断したこと、しかも建築基準法改正(平成15年7月1日)以前の事例であることは、今後のシックハウス訴訟において有益になるであろう。
本件では「竣工直後の室内ホルムアルデヒド濃度は相当程度高かった」「普通に考えれば2倍、3倍、あるいは1けた上があってもおかしくない状況」と いった鑑定結果が重視されている。鑑定で勝負したことが吉と出た事案とも言える。この点をどう評価するか、検討を要すると思われる。
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